書道用品 【筆・墨・硯・紙】について

【紙】 について
書風、制作意図に合った紙を選ぶ。

書風、制作意図に合った紙を選ぶ。

紙選びは作品を造るための重要なプロセスです。種類もさる事ながら、形態も様々な「紙」。制作意図に合わせて、納得のいくまで選んで頂きたいと思います。

紙の知識

産地別の特徴
日本 → 機械漉きの半紙、画仙紙はその殆どが日本で製造されています。産地別では鳥取県の因州紙、愛媛県の伊予紙はにじみの少ない物が多いようです。他にも福井県の越前紙、高知県の土佐紙、島根県の石州紙などがあります。

中国 → 代表的なものは、本画仙と毛辺、白連などの竹紙です。
台湾 → 現在は台湾の製法、原料を用いて東南アジア(タイ、フィリピン、中国)などで製造しています。

画仙紙寸法(一例)

八ッ切(書初用紙) 17.5cm×68cm
半切 35cm×136cm
2×8(連落ち) 53cm×227cm(1尺7寸5分×7尺5寸)
2.6×6 70cm×170cm(2尺3寸×5尺6寸)
3×6 83cm×174cm(2尺7寸5分×5尺7寸5分)
3×8 83cm×235cm(2尺7寸5分×7尺7寸5分)
4×4 110cm×110cm(3尺6寸5分×3尺6寸5分)

※上記寸法以外がご入用の方はお問い合わせください。
※公募展用の用紙を発注される場合は、「ニハチ」などの通称ではなく、具体的に「00×00cmの紙」というように表現される事をお勧めします。

書道用品の業界では今も尺貫法が使われています。
1分=3.03mm
1寸=3.03cm
1尺=30.3cm

用紙の保存
和紙は湿気や直射日光を嫌いますので、日陰で湿度の低い場所での保存がお薦めです。保存さえ良ければ、漉きたての紙より数カ月数年経った紙のほうが墨色も冴え、墨の乗りも良くなります。
※お買い物の前に「特定商取引法に基づく表示」をよくお読みください。
掲載以外にも豊富に取り揃えておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 


【筆】 について

弘法筆を選ばず?

書の要、筆を選ぶ。

「弘法筆を選ばず」といわれますが、その弘法大師ですら数十種の筆を使い分けていたといわれています。
当店ではオンラインショッピングにて豊富な種類を掲載させていただきました。ぜひ一度ご覧ください。

筆の基礎知識

筆穂の長さ

長鋒(ちょうほう)筆 → 筆軸の外径に対して、筆穂の長さが5倍以上あるもの
短鋒(たんぽう)筆 → 筆軸の外径に対して、筆穂の長さが3倍以下のもの
中鋒(ちゅうほう)筆 → 長鋒(ちょうほう)筆と短鋒(たんぽう)筆の中間

毛の硬さ
柔毛(じゅうもう)筆→ 山羊などの柔らかな毛だけを用いて作った筆
剛毛(ごうもう)筆→ 馬やイタチなどの硬い毛を用いて作った筆
兼毛(けんもう)筆→ 柔毛と剛毛を混ぜて作った筆

筆に使われる毛の種類

筆に使われる毛には様々な種類があります。動物により特長が違いますので用途によって使い分けて下さい。
剛毛、兼毛の太筆に使用される。筆の弾力を持たせる為に太筆の大半は馬毛が使われている。中でも、天尾と言って、尾の近くに生えている毛は毛の中でも最高の性質を有する。軟毛としての羊毛、剛毛としての馬毛は、その双璧と言われる。

 

筆に使われる羊は、中国長江(揚子江)下流地域のごく限られた地方のみ飼われている食用の特殊な羊で、その数も非常に少なく、大変貴重品です。
又、一匹の羊の毛も、部分によって何十種類にも選別され、特に細高峰に至っては、毛筆用原料の絶品として古くから広く知られています。
イタチ

細筆、特に仮名用筆には無くてはならない代表的な筆の原料である。柔らかさ、弾性、鋭さ、ネバリ等筆毛として最高の性質を有しているが、採取する寸法が短いので、主に細筆に利用されている。
狸で筆の原料になるのは、日本狸と中国産の狸である。特に日本狸は上質で、ハネ、トメ、ハライ等、美しい線を表現する。

猫は通常、白猫の毛を使うが別名、玉毛と言って毛先が玉のようになった先の鋭い毛玉だけを使う。綿毛の間に生えているほんのわずかな毛で、一匹の猫からごく少量しか取れない高価なもので、仮名用の極上品となる。

むささび

むささびは別名ノブスマとも言い前足、後足の間に膜があり、木から木の間を鳥の様に飛行する珍しい動物で、毛はやわらかく、羊毛に似ているが、又独特のネバリと毛先に味があり、筆の原料として珍重されている。

鹿

鹿毛は鋭く荒く、弾性に乏しいので、通常、筆の先端に使うことは出来ないが、筆の腰などに使用して、力や姿を整えるのによく利用される。

 


墨の基礎知識

原料

固形の墨の原料は煤(すす)膠(にかわ)、香料です。

煤には大きく分けて、油を燃やして採煙する油煙と、松の木を燃やして採煙する松煙があります。 現在多く使われているのは前者の油煙です。(油煙は粒子が細かく作品に光沢が出ます。それに対し松煙は粒子が粗く、光沢の無い、光を吸収する黒になります。)

膠は動物性のたんぱく質で、本来水には溶けない煤を包み込み、水の中で安定させるのが役割です。また、紙の上に置かれた煤を定着させる接着剤としての役割も持ちます。

墨に使われる香料には、麝香(じゃこう)、竜脳(りゅうのう)、白檀(びゃくだん)などがあり、膠の臭い消しと香り付けのために入れられます。

墨の大きさ

墨には一般的な長方形のほかに、丸型や八角形など様々な形があるため、墨の大きさは重さで表記されます。日本の墨の場合には、15gを1丁型と定め、その何倍かで表記します。つまり、3丁型は45g、5丁型は75gと言った具合です。(一般的な長方形の場合、1丁型は長さ7~8g3丁型は11g5丁型は13g10丁型17g位です)
中国の墨は反対に、500gを基準としてその何分の一かで表します。1/2は250g、1/4は125g、1/8は約65gとなります。

※墨の材料や作り方により多少、寸法の大小があります。

良い墨色を出すために重要な硯を選ぶ

「良い墨をだすために重要なのは墨でなく硯だ」という方がいらっしゃるくらい同じ墨を磨っても硯によって大きく違ってきます。様々な硯の中から気に入ったものをお選びください。

硯の基礎知識 – 硯石の種類

羅紋(らもん)石
江南省で産出され、産出量が多いために安価で、学童用としても広く使われています。石色は灰黒色で、薄絹をあわせたような細かな石紋が特徴です。
端渓(たんけい)石
中国を代表する硯石で日本でも有名です。代表的な硯石には老坑(ろうこう)、坑仔巌(こうしがん)、麻子坑(ましこう)などがあります。
歙州(きゅうじゅう)石
安徽省竜尾山で産出される硯石で、石質は非常に堅密です。
新澄泥(しんちょうでい)石
江蘇省の霊巌山に産出する硯石で、石質は粗く、石色は黄色、赤色、緑色等があります。